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史的唯物論 史的唯物論(historical materialism)は、マルクス、エンゲルスによって初めて提唱された唯物論的な歴史観。エンゲルスは『反デューリング論』(後に『空想から科学へ』に再掲)において、この歴史観と剰余価値学説によって社会主義は科学になったと述べたという意味で「科学的社会主義」のコアをなす。すなわち、歴史は主観的な意図の総和によって進行するとはいえ、その「社会的主観」もまた客観的な法則を持っており、それが生産力とそれによって規定された生産関係によって規定されているとするもの。たとえば、マルクスは「あらたな生産諸力を獲得することによって、人間は彼らの生産様式を変える。・・・(中略)・・・手回し挽臼は諸君に、封建領主を支配者とする社会を与え、蒸気挽臼は諸君に、産業資本家を支配者とする社会を与える」(『哲学の貧困』邦訳マルクスエンゲルス全集版、第四巻、133-134ページ)と述べている。したがって、ここでは@唯物論(生産力の生産関係・上部構造への規定性)と、Aそれが歴史によって変化すること、つまり「唯物論」的な「歴史観」であるといえる。 なお、上記@Aの条件を満たせば、「唯物論的な歴史観」すなわち「史的唯物論」と呼びうるから、マルクス、エンゲルス以外の方法で「史的唯物論」を構成できないこともない。ただし、この場合には歴史上最初の「史的唯物論」がマルクス、エンゲルスのそれであることを否定できない。 (大西広) |