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近代経済学 |
トヨタシステム トヨタシステムとは、品質のよいものを安くつくる日本オリジナルの技術であり、トヨタ生産方式ともよばれる。徹底した無駄の排除という基本思想と、それを支える「ジャスト・イン・タイム」(JIT)および「自働化」を基本原理とした生産方式である。この生産方式は、大規模市場とそこでの大量生産というアメリカ自動車企業に対抗して生き残るために、第二次世界大戦後の日本自動車工業に課せられた多品種少量生産という市場の制約を克服する中で考案されたものである。1973年の第1次石油危機を契機に、この生産方式が国内外で注目を浴び、1990年、米国のマサチューセッツ工科大学の研究チームは、これをリーン生産方式と名づけた。 JITはゼロ在庫方式のことであり、市場志向の限量生産による効率追求という思想をもつ。不良品を出さないように働く(意識する)という意味での「自働化」の思想と結びつくことにより、品質のよいものを安くつくることが可能になるのである。日本の自動車産業の礎を築いた豊田喜一郎の考案したJITの思想と、自動織機の発明家である豊田佐吉の「自働化」の思想を結合し、大野耐一がトヨタシステムを完成させた。 (1)大野耐一『トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして―』ダイヤモンド社、1978年。 (2)下川浩一・藤本隆宏編『トヨタシステムの原点―キーパーソンが語る起源と進化―』文眞堂、2001年、第2章、第3章。 (廣瀬幹好) |