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近代経済学 |
作業場内分業 作業場(workshop)とは、一般的には「肉体や頭脳を働かせて仕事をする場」であり、工場(や事務所)の一構成部分とみることができる。工場と同義語のようにみられることも少なくない。工場が、資本主義的生産とともに出現した(一定の生産集積を前提とする)歴史的概念であるのに対し、作業場は(農家の一角にもみられるような)超歴史的な概念と捉えることができる。工場の規模が大きくなると、工場は多くの作業場から構成されるようになる。 作業場内分業 (the division of labor within the workshop)とは、一つの全体機構としての作業場の機能が種々の作業に分立化され、それに沿って各労働者が区分され編成されたものである。 『資本論』では、作業場内分業は社会内(in society)分業と対比する形で、また工場制手工業的(in manufacture)分業が社会的分業(the social division of labor)と対比する形で位置づけられている。 作業場内分業は、工場制手工業的分業と区別されているが、他方ではほぼ同義的に捉えられている個所も少なくない。同様なことは、社会内分業と社会的分業の関係にもみられる。作業場内分業は、工場制手工業の下では工場制手工業的分業として現れ、機械制大工業の下では機械制大工業的(in machinery and modern industry)分業として現れるのであり、いくつかの歴史的段階またがる概念として広義に位置づけることができる。 分業に基づく協業は、(「人間を諸器官とする一つの生産機構」である)工場制手工業において典型的なかたちをつくり出す。作業場内分業の基本的なすがたも、工場制手工業的分業においてみられる。 工場制手工業的分業は、生産過程をその特殊な諸段階に分解し、さらにいろいろな部分作業(すなわち部分労働)へと分解する。生産過程の基礎をなすのは手工業的な熟練であるゆえに、各労働者はただ一つの部分機能だけに適合させられ、部分機能の終生変わらない器官にされてしまう。労働用具を部分労働者の専有な特殊機能に適合させることによって、労働用具を単純化し改良し多種類にする。労働用具の分化と専門化は、産業の分化を促すとともに、諸道具の結合から成り立つ機械の出現を促し。機械制大工業の下では、作業場内分業は機械体系に付随した分業へと編成されていくのである。 (1)K.マルクス『資本論』第1巻第4篇。 (十名直喜) |