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近代経済学 |
労働生産性 単位時間の労働によって生産される、一定の種類の使用価値の量が増大することを労働の生産力の増大または労働生産性の高度化と呼ぶ。ただし労働の強度や密度は変わらないものとする。労働生産性は労働者の習熟度、科学技術の発展、協業や分業の発展、生産手段の規模および性能、農業などでは自然条件によって規定される。 労働力の再生産に必要な使用価値(生活資料)を生産するに必要な労働時間を必要労働時間という。一日の労働時間のうち、必要労働時間を超えた部分を剰余労働時間といい、それによって生産された価値を剰余価値という。労働時間の延長によって生産される剰余価値を絶対的剰余価値という。労働生産性が高まれば必要労働時間が減少するので、労働時間が延長されなくても、剰余労働時間は相対的に増大する。それによって生ずる剰余価値を相対的剰余価値という。 労働生産性が高まれば、それだけ生産物の価値は低下する。ある資本が生産方法を改善して労働生産性を高めれば、それによって生産される商品の個別的価値は社会的価値よりも低くなり、その差を資本は特別剰余価値として獲得する。その生産方法が社会に広がれば特別剰余価値は消滅するが、労働生産性が高められたことに基づく相対的剰余価値は消滅しない。 (1)マルクス『資本論』第1部第1章、第10章 (野口宏) |