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近代経済学 |
不確実性 競争市場がパレート最適で安定的な均衡をもたらすための前提に、「完全情報」がある。これが満たされず、何らかの意味で不確実性が存在する場合、市場経済のパフォーマンスはどうなるか、そしてそこに何らかの欠陥が生じた時にはどのような政策がとられるべきかという問題は、多くの経済学者の関心を集めてきた。このことにかかわる問題には互いに性質の異なる次のようなものがある。 1) 確率的意思決定問題 価格等、経済主体にとって所与である市場環境が、確率的に変動する場合の意思決定問題。通常、利潤等の最大化する目的変数の期待値、ないしその目的値の効用の期待値(「期待効用」)を最大化する処理をする。企業の意思決定などでも「効用」の期待値を用いるのは、たいていの場合、人間行動にとって一般的な、危険回避的な性質を表すためである。限界効用逓減的な効用関数ならば危険回避的になる。 2) 情報の非対称性の問題 (詳しくは「情報の非対称性」の項を参照) 3) 不完全情報ゲーム ゲーム理論が扱う状況で、他者の目的や自分たちの置かれた環境についてはみんなわかっていたとしても、互いに他者の手の内を知ることなく決定する状況。 4) 不完備情報ゲーム ゲーム理論が扱う状況で、他者の目的や自分たちの置かれた環境について、完全にはわからずに決定しなければならない状況。2) の「情報の非対称性」の問題はこの一種。 5) 本来の「不確実性」 ナイトやケインズは、「不確実性」という言葉を、確率分布がわからない状況に使った。1) の「不確実性」はこれと区別するときには、「リスク」と呼ぶ。ケインズは、企業の設備投資決定が、このような本来の「不確実性」に直面してなされるものであるとみなした。 (松尾匡) |