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近代経済学 |
オフショア オフショアとは沖合つまり内陸から離れた域外のことで、多義的に用いられる言葉である。税や制度などで外国資本が優遇される区域を指す場合もある。先進国企業が途上国の輸出向け経済特区に製造拠点をおくものはオフショア生産と呼ばれる。取引規制がゆるい国や地域(タックスヘイブン)の金融市場はオフショア市場と呼ばれる。またある国の金融市場において非居住者間で行われる取引はオフショア取引と呼ばれる。 業務用ソフトウェアの開発では、業務側と開発側の間で緊密な調整を必要とするので、互いの拠点が地理的に近くにあるのが通例である。だが近年の情報通信の発展により、欧米や日本の企業がソフトウェア開発拠点をインドや中国におく事例が増えている。これは域外開発という意味でオフショア開発と呼ばれる。現地の企業に開発を委託する場合も含む。その目的はエンジニアの賃金格差を利用した開発費の削減のほか、時差を利用した昼夜継続による開発期間の短縮もある。オフショア開発は下流工程が多いが、インドの高い技術水準の利用を目的とする場合もある。 サービスも提供側と利用側が互いに近くに位置するのが通例である。だが近年、ソフトウェア開発と同様に、コールセンター、会計や法律など専門サービス、エンジニアリング(技術サービス)などの一部のサービス拠点を、言語の壁を超えて海外におく事例が現れている。これらはオフショア・サービスと呼ばれる。その目的は専門的スタッフの賃金格差を利用したコストの削減であり、米国では国内雇用縮小の原因とされている。 (野口宏) |