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近代経済学 |
管理の二重性 管理の二重性とは、資本主義的な管理の特質を表す概念である。資本主義的生産は、同じ資本家のもとで多数の労働者を働かせてかなり大規模な生産活動を行なうこと、すなわち協業を出発点とする。共同的労働を意味する協業において、一般に、個々の諸活動を調整して集団としての生産力を創造するためには、必ず協働を指揮する機能が必要となる。この指揮機能を管理という。協働を組織するという意味での管理は、あらゆる社会に必要な機能なのである。 他方、資本主義のもとでの協働は、「自由な」労働契約というそれ以前の社会とは異なる新しい社会関係を前提としている。それゆえ、資本主義的管理は、よりいっそう精巧な管理方法の不断の開発によって協働を確保することが不可欠となる。 このような管理の二重性は、資本主義的生産過程の特質に基づくものであり、マルクスは、「資本家の指揮は内容からみれば二重的であって、それは、指揮される生産過程そのものが一面では生産物の生産のための社会的な労働過程であり他面では資本の価値増殖過程であるというその二重性によるのであるが、この指揮はまた形態からみれば専制的である」、と述べている。 (1)カール・マルクス『資本論』第1巻、第11章、第12章、第13章。 (2)H.ブレイヴァマン著、富沢賢治訳『労働と独占資本』岩波書店、1978年、第2章。 (3)稲村毅『経営管理論史の根本問題』ミネルヴァ書房、1985年、第1章、第2章、第3章。 (廣瀬幹好) |