基礎研WEB政治経済学用語事典

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 環境ホルモン

 環境ホルモン(environmental hormones)は、正式には「外因性内分泌撹乱物質」という。ホルモンは、体内で、受け入れる受容体の中で、成長や、男性、女性を決める働きをもつ。たとえば、精子や卵子を作るステロイド系ホルモン、ペプチドタンパク系ホルモン、甲状腺、代謝や知能発達にかかわるチロシン誘導体系ホルモン、生体アミン系ホルモンなどがある。この中で、ステロイド系とチロシン誘導体系は、脂肪に溶けやすく、また細胞膜を自由に通過する。このホルモンに似たものが環境ホルモンで、一部の農薬、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、プラスティックに含まれている。男性ホルモンから女性ホルモンに移行するところで遮断されれば、雌は雄化する。特に、胎児や赤ちゃんへの影響は大きい。
 
 

(1)松井三郎他『環境ホルモンの最前線』有斐閣、2002年。
                                       (梅垣邦胤)