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近代経済学 |
エンクロージャー 16-17世紀に第一次の、18-19世紀に第二次のそれが生じたイギリスにおける「土地囲い込み運動」で、これによって独立自営農民の多くは土地を失い、土地所有の集中が生じた。また、土地を失った農民たちは農業資本家に雇われる農業労働者ないし商工業部門で雇われる労働者に転化せざるを得なくなったということで、「二重の意味で自由な労働者を生み出す過程」としての原始的蓄積の典型的過程として『資本論』第一巻本源的蓄積章で詳しく論じられている。 この二度にわたるエンクロージャーは国家の「本源的蓄積」への関与がまったく異なっているところに特徴がある。第一次エンクロージャーは羊毛価格の高騰により、小麦畑を牧羊場に転換する意図を持った封建領主が耕作農民を追放するということによって生じた民間的なものであったが、第二次エンクロージャーは農産物価格の高騰を背景とした農民からの共有地の収奪(土地清掃)を促進する国家の政策(多くの法律)によって遂行されている。後者は開発独裁という「国家の暴力」と共通するものであるとともに、前者は「民間的な暴力」によって遂行されているからである。いずれも、平均利潤を通じた通常の資本主義的搾取→蓄積ではなく、それとは異なる原因で「資本主義的蓄積の前史」として生じた資本蓄積である。 (大西広) |